鳶職人が年収1,000万円を達成するためのリアルな4つの方法

多くの人が憧れ、目標にする年収4桁万円の世界。

国税庁による令和3年度民間給与実態調査によると、年収1,000万円以上の人の割合は全体の4.9%とやはりその壁は決して低くはありません。

では、職人の中では比較的高収入と言われる(思われている)鳶職人であれば年収1,000万円を達成することは可能なのか?

この質問に対しては明確な答えがあります。

僕自身、鳶職人として年収1,000万円は20代で達成しており、現在うちの会社では経営者である僕とNo2である事業責任者の2人が永続的に年収1,000万円を達成しています。

現在の僕は鳶職以外の事業も行う経営者ですので、純粋に鳶職で年収1,000万円とは呼べませんが(ちなみに年収1,000万円を達成した20代後半の頃は鳶工事だけを行う会社でした)、弊社のNo2は責任者として鳶事業のみに関わる(今も職長として毎日現場に出ています)仕事をしていますので、純粋に鳶職で年収1,000万円以上を達成していると言えます。

また過去には弊社社員でも夜勤などを中心に行うことで瞬間的に年収1,000万円を超えたものがいますし、弊社以外でも正確な年収までは把握できませんが一部に年収1,000万円を超える鳶職人はいると考えます。

その割合はもしかすると4.9%より低いかもしれませんが、鳶職で年収1,000万円は現実に達成可能であり、その方法もいくつか存在していますのでこの後の章で具体的に説明していきます。

『将来、年収1,000万円を絶対に達成したい!』という鳶職人はぜひ最後までお付き合いください。

1. 鳶職で年収1,000万円になるための4つの方法

ここからは僕が考える鳶職で年収1,000万円になる方法をお勧めする順に4つ紹介します。
自分に合うのはどれなのかを具体的にイメージしながら読み進めていただき、ぜひ挑戦してもらいたいと願っています。

【方法1】独立して経営者になる

鳶職で年収1,000万円になるための方法1つ目は『独立して経営者になる』です。

経営者の給料(役員報酬と言います)は業界や会社規模(上場しているか否か、利益が出ているか否かなども)によってかなりの幅があり、平均値を取るのが難しいのですが、税理士事務所として有名な古田土会計さんのブログによれば顧問先1,314社(ほとんどが中小企業)の社長の平均年収は1,021万円になるようです。

僕の感覚的にはもう少し高い数字になると思っていましたが、この中には個人事業主や家族経営の個人商店的な会社も一定数含まれるでしょうし、法人の8割は赤字だとも言われますので、1,021万円程度の数字に落ち着くのかもしれません。

いずれにしても、経営者として会社を黒字(利益が出る状態)経営できれば年収1,000万円はそんなに難しくない数字でしょう。

家族や自分の周りに経営者がいない環境の人は『独立する』『経営者になる』ということに対して過剰に難しさを感じる人が多いように思います。

反対に親が経営者、身近に独立を経験した人がいるなどの環境にある人は、独立に対してのアレルギー反応が比較的少ないように感じます。

僕の考えとしては『会社に所属し続けること』も『独立をすること』もそれぞれに大変さはあり、であるなら覚悟を決めて独立をした方が『より自由で豊かでやりがいに満ちた人生を送れる』のではないかというスタンスです。

鳶職人が独立して年収1,000万円を達成する方法は自分自身の体験をもとに、3章で具体的に書いていきたいと思います。

参考:中小企業の経営サポートなら古田土経営・古田土会計
https://www.kodato.com/blog/p8307/

【方法2-1】請負形態(歩合制)で働く(足場編)

請負形態(歩合制)で働く(足場編)

一部の鳶職人は会社に所属しながら、あるいは1人親方や数人のグループなどで歩合制(請負形態)で仕事をすることで高年収を達成しています。

足場工事を専門に行う会社の中には歩合比率の高い給与形態を取り入れていて、親方クラスになると年収1,000万円を超える人もいるようです。

僕も独立間もない頃(20代後半の頃)は改修足場工事などを請け負っていた時期もありましたが、それこそやった分だけ稼ぎになるので高年収職人が足場屋さんに多いのも頷けるところです。

歩合制の中身は足場工事会社によってまちまちでしょうが、歩合制はまさに『やっただけ稼げる』働き方です。

年収1,000万円は1日あたり32,000円〜35,000円程度を稼ぐことができれば達成できる数字ですので、早出や残業、休憩時間を短くするなど労働時間を多めに確保することで頑張れば達成できる数字だと考えます。

【方法2-2】請負形態(歩合制)で働く(鉄骨編)

足場請負と同様、鉄骨工事を請負で行うことで高年収を得ている職人もいます。

鉄骨工事は鳶工事の中でも非常に専門性の高い分野の仕事で、熟練した技術の高い職人であれば平均的に高い賃金が得られます。

鉄骨工事は高めの日当(日給)で契約する場合と、出来高(t当たりいくら)で請負う場合の2パターンが考えられます(後者の場合は複数人で1つの鉄骨工事単位を丸々請け負う形になります)

請負形態(歩合制)で働く(鉄骨編)

最近の東京でのざっくりとした相場観ですが、技術の高い職人であれば日当ベースでも3万円は普通にもらえると思います(実際弊社が払っている金額)

鉄骨工事はその性質上、早出や残業も多いので300日×3万円=900万円をベースに残業代等で1,000万円を超えることが可能となります。

さらに数人の仲間(部下)を連れて請負(出来高)で鉄骨工事を行うことができれば、親方として年収1,000万円は余裕で超えることが可能になるでしょう。

【方法3】大きめ鳶工事会社のNo2(経営層)になる

うちの会社のNo2のように、大きめの鳶工事会社の役員(No2など)になることで高年収を得る鳶職人もいます。

鳶工事会社の中には経営者自身ですら年収1,000万円に届いていない人も多いので、大きめかつ安定的に業績の良い会社のNo2であることが条件になります。

僕の勝手なイメージですが社員数で15人以上、下請けなどを使った1日あたりの稼働人数が30人以上くらいが1つの目安になるのでは無いかと考えます。

その規模の会社のNo2(経営層)になることができれば、年収1,000万円も視野に入ってくるはずです。

【方法4】夜勤メインで働く

実際、過去にうちの社員でもあったケースですが、年間通して夜勤を行うことで年収1,000万円を達成することに繋がります。

夜勤(22時〜5時まで)の場合、賃金は25%割り増しになります。

また深夜での時間外労働や休日労働が深夜になった場合はさらに25%〜35%の割増賃金が発生します。

例えば、基本日給22000円の職長が年間300日夜勤で働いた場合、22,000×300×125%=8,250,000円になりますので、+α残業や休日出勤があれば理論上は達成可能です。 

2. 独立以外では1,000万円を永続的に稼ぐのは難しい理由

前章であげた鳶職人として年収1,000万円を達成する4つの方法のうち、『独立して経営者になる』以外の3つの方法では『永続的に1,000万円を稼ぎ続ける』のが難しいのでは?と考えられる理由がありますので簡単に解説していきます。

2.1 なぜ独立だけが永続的に年収1000万円達成可能なのか

独立以外の3つの方法では年収1,000万円を永続的に稼ぎ続けることが難しい理由を述べる前に、そもそもなぜ独立であれば永続的に年収1,000万円を達成することが可能(確率が高い)なのかについて説明します。

答えは簡単で、鳶工事会社経営者で実際年収1,000万円以上を稼ぎ続けている人をたくさん知っているし、僕自身もずっと達成できているからです。

残りの3つの方法それぞれが難しいと思う理由も同じで、永続的にという条件をつけると『あまり見たことがない』からです(率は低いですが実際にいるとは思います)

独立も5年で18.3%が、10年後にはそれ以上の会社が倒産するというとても厳しい世界ではありますが、独立以外の3つの方法の大きな枷になる、『年齢』や『仕事の多寡』や『他人への依存(運的な要素)』がネガティブになりにくい、あるいは自分自身の努力でクリアしやすいという点で独立が一番達成しやすい方法であると僕は考えます。

2.2-1 足場屋さんで稼げるのは若いうちだけ?

僕自身も若い頃一時期やっていた足場の請負ですが、実際にやってみて『かなり体力勝負の仕事で、若いうちはいいけど年齢がいった時に続けるのは厳しいのかなぁ』という印象を持ったのを覚えています。

もちろん、その会社でマネジメント層になることができれば40代、50代になっても続けることは可能だと思いますが、全ての人がそのポジションに就くことは現実的には不可能と言えます。

また足場の組み立て解体作業自体が比較的単純繰り返し型で、飽きやすい性格の僕にはその点でも向いていませんでした。

ある程度若いうちに稼ぎたいというニーズには非常にマッチしていると思いますので、稼げるうちに年収1,000万円に挑戦するという意味では比較的成功確率の高い方法だと思います。

2.2-2 鉄骨は仕事の確保が難しい?

鉄骨建て方で年収1,000万円を達成するというこちらの方法にも注意する点があります。

それは鉄骨建て方工事を『受注し続けること』は結構難しいということです。

理由としては

鉄骨工事は建物完成に要する全体工程のうちの一定期間(ざっくり50%以下だと思います)にのみ発生するので『現場を渡り歩く』的な働き方になる。
上記のケース(鉄骨工事を専門で請け負う)では恐らく3次下請け以下での働き方になることが多いので『実績があり信頼できる会社』に依頼が集中し良い条件の工事を受注できる会社は限られてくる。

などが考えられます。

実際、弊社から鉄骨工事をメインで請け負ってくれている職人たちも数年にわたって鉄骨工事のみをフル稼働しているという人はほとんどいません。

また鉄骨をメインにしている職人は足場や雑鳶の工事をあまりやりたがらないことも多く、単価は高いけど稼働が低いという職人が多いように感じます。

以上のような理由から、こちらも永続的にという点で難しいという事を理解しておく必要があります。

2.3 良い会社の経営陣に加われるかは運次第?

大きめの鳶工事会社のNo2を目指すという方法は、残念ながら自分の努力にプラスして運も味方につける必要があります。

まず、すでに大きい会社に転職してNo2に上り詰めるということは、独立を成功させる以上に難しい(その会社をそこまで成長させた幹部たちを押しのけてポジションを得る必要があるので)と感じます。

なので自分がNo2になろうと思えば、まだ会社が小さい頃から(創業間もない頃など)運よくその会社に所属し、主力として力を発揮して会社を成長させることが必要と言えるでしょう。

ただし自分の上に経営者がいる以上、その人の能力に左右される部分が大きくなることは否めません。

そもそもNo2として会社を成長させる力があるのであれば、自分が独立して成功することも可能なはずです。

ですので、この方法はたまたま身近に『この人についていけば間違いない!』と思えるような能力も高く魅力的な人がいた場合にのみ取り得る方法だと考えます。

2.4 夜勤現場がずっと続くことは無い?

この方法が難しい理由はとてもシンプルで、建設工事における夜間工事の割合はとても低いので、それがずっと続くことは現実的には無いに等しいからという理由です。

うちの会社でも鉄道に絡む工事や、突貫工事で24時間稼働する現場などで夜勤に携わることがありますが、社員の体調面なども考慮して同じ人間が長期間夜勤にならないように工夫したりしています。

収入の面では魅力的ですが、長期間の夜勤は生活が昼夜逆転するなどデメリットもあります。

鳶職人の夜勤のメリットデメリットについては「鳶の夜勤のリアルな実情を知って不安解消!経験者に聞く夜勤攻略法」を参考にしてください。

3. 『1,000万円達成の王道』独立を成功させるために大切な10個のこと

この章では僕が考える鳶職人が年収1,000万円を達成するための王道『独立する(経営者になる)』ための具体的な方法を僕の経験を交えてお伝えしていきます。

3.1 ゴールを決めて逆算する

ここでいうゴールとは主に『いつまでに』を指します。

つまり何年後、何歳の時に独立をするのかということを先に明確に決めるということです。

大事なのはゴールから逆算することで、一番避けたいのが『いつか準備が整ったら独立しよう』というような漠然とした状態で日々を過ごすことです。

余談ですが、僕は毎年会社とは別に自分自身の5ヵ年計画を作ります。

その際、各年の欄に自分の年齢と家族(母、妻、子ども達)全員の年齢を記載します。

5年後(2028年)僕は59歳になり、その時妻は54歳、母は79歳で、子ども達はそれぞれ17歳、14歳、11歳になっている。

家族の年齢を書き添えるとよりその年の家族のイメージ(子どもは高校、中学、小学校と3人バラバラで、翌年には大学受験と高校受験が重なるんだな等)が持て、計画をより具体的に作る手助けになります。

独立はなるべく早い時期に越したことはありませんが、早さとは別の次元で最適な時期というものが各個人それぞれにあると思います。

自分の人生設計を考えた時に、どのタイミングで独立するのがベストかを検討することはとても重要です。

独立をする時期を適切に定めることができれば、あとはそこから逆算してやるべきことを粛々と行っていけば良いだけなので、成功確率は格段に上がります。

3.2 計画的に独立資金を貯める

次にやることは独立資金を貯める準備を始めるということです。

独立して鳶工事会社を経営するためには  建設業許可の取得がマストとなり、新たに設立した会社で鳶工事業として建設業許可を取得するためには資本金500万円が必要になります。

資本金以外にも、会社設立費用や通勤用の車や工具類などの購入費、運転資金(主に社員給料の1ヶ月分)その他備品購入などを考えると独立時点で1,000万円位の資金があると、ある程度余裕を持って事業をスタートできると思います。

ちなみに僕はそんなに資金を用意できずにスタートしたので、独立して程なく資金が行き詰まり、恥ずかしながら親族数名からお金を借りる事態になったりもしました(当時の銀行は設立間もない会社への融資は積極的ではありませんでした)

1,000万円を全額自分で貯めるとなるとかなり大変だと思いますが、資本金の500万円を自分で用意できれば自己資金と同額くらいであれば銀行(国民生活金融公庫など)が創業融資としてお金を貸してくれます。

なので、まずは500万円の貯金を目標に設定しましょう。

ここで先ほどの逆算思考が役に立ちます。

シミュレーションしてみましょう。

鳶を始めて5年、現在23歳のケースを考えてみます。

独立を5年後の28歳に設定したとしましょう。

現在貯金は0円です。

まず今までの5年とこれから独立までの5年の合計で10年間分の退職金(建退協から)が概算で約90万円あります。

目標の500万円から退職金の90万円を引いた410万円を60ヶ月で貯めることができれば良いので、毎月7万円ずつの積立が必要な計算になります。

現在の収入や環境によっては7万円の積立は楽ではないと思いますが、目標に達成向けて頑張ってください。

3.3 資金を貯める時は信用金庫で積立て

さらにここで大事なことを1つ。

この410万円を貯める際にぜひやってほしいことがあります。

それは自宅からいちばん近い信用金庫(独立時に最初に取引するのは信用金庫がおすすめ)に個人で定期積立をすることです。

この方法を取ると目標金額を貯めることにプラスして金融機関からの『信用』という、独立後もずっと必要になる大事なものを手に入れることができるでしょう。

『この人は5年間、毎月必ず7万円を貯金できる人だからお金を貸しても必ず返してくれるだろう』と銀行は判断してくれるようになるはずです。

会社経営を長く継続するためには銀行との取引は欠かせませんので、資金と同時に信用も得るために必ず定期預金で積み立てを始めましょう。

僕のように親族に頭を下げてお金を借りることもできるかもしれませんが、会社経営をしていると資金的な窮地に陥ることは何度かあると思いますので、まずは自分で資金を貯めることと銀行とのお付き合いを始めることを優先して、その他の方法は本当の窮地の時のために温存しておきましょう(もちろん無いに越した事はありません)

3.4 建設業許可取得に向けての準備

次に行うことは建設業許可の取得に向けた準備です。

建設業許可の取得で多くの人が躓く(手間取る)ことの1つが『専任の技術者』に関する要件です。

建設業許可を取得(申請)する際は会社に『専任の技術者』が常勤している必要があるので、自分自身がその要件を満たすか、あるいは要件を満たす人材を新たに雇用する必要があります。

要件としては

『建築士』や『施工管理技士』『とび技能士(2級以上)』などの国家資格を取得する
指定学科(高校や大学の建築学科など)を修了した上で一定の実務経験を満たした者
10年以上の実務経験を満たす

の3つがあります。

1の国家資格取得の場合、2級施工管理技士かとび技能士の資格取得が取得難易度などから一番オススメの選択肢になります。

ただし両資格とも年に1回しか受験できないこと、また両資格ともに合格率は30〜40%程度とけして簡単な資格では無いので、しっかりとした準備が必要になります。

ちなみに僕は2級施工管理技士をパスして建設業許可を取得しました(当時は技能士資格が無かったので)

2の指定学科を修了するは、そもそも働き出してから取ることが難しい方法なので、ここでは説明を省略します。

上記2つのハードルの高さから、3の実務経験10年以上の要件で建設業許可申請する人が多い印象があります。

ただここでも注意が必要で、『僕は鳶を10年以上やっています!』といくら口頭で説明しても、当然取り合ってなどもらえません。

10年の実務経験は『鳶工事会社に10年以上在籍していた証明』と『10年以上実務に関わっていた証明』の2つが必要になります。

在籍していた証明は社会保険の記録などから、実務に関わっていた証明は在籍していた会社の工事の受注の証明などで行う必要があり、特に後者は10年分の記録となると破棄や紛失などで難しいケースがあるようです。

独立してから『建設業許可取ろう!』では思った以上に手間や時間がかかるケースがあるので、独立を検討し始めた時点で、行政書士さんなどに早めに相談することをお勧めします。

3.5 No2(右腕)を探す

ここまでの3つのステップはどれも欠かすことが出来ない大事な準備ですが、独立を成功させる上である意味いちばん重要だと言えるのがこの『No2(右腕)を探す』です。

ここで言うNo2(右腕)とは『絶対的に信頼できるパートナー』のことであり、そういう人材と出会える(見つけられる)かどうかで独立の成功確率が大きく変わります。

僕自身は幸運にも身内(兄弟)にそのような人物がいたこと、また独立当初に採用したメンバーが20年以上の長きに渡って支えてくれたこともあり、事業を成長させることができました。

彼らの存在無しでは(自分1人の力では)絶対に出来なかったと断言できます。

こういう人材は、求人媒体に募集をかけたところで出会えるものではありません。

また漠然と日々仕事をしているだけで出会えるものでもありません。

  • そういう人物に出会うんだというアンテナを常に張っておくこと
  • そういう人物から選ばれるに値する自分であるよう研鑽を積むこと
  • 夢や目標を共有し、誠実に彼らと付き合うこと

それらを永続的に行うことで、初めて迎え入れることが出来るのだと思います。

周りの同業の会社(同業に限りませんが)を見ても、優秀なNO2がいる会社は成長しています。

反対に社長1人で現場から経営業務までを行っている会社は、比較的早い段階で成長が止まるケースが多いです。

将来独立をすると決めたその日から、絶対的に信頼できるパートナーをNo2として迎えられるよう、様々な準備をしましょう。

3.6 家族の理解を得る

独立に家族の理解なんて必要なのか?とあなたは疑問に思うかもしれません。

ここでいう『家族の理解』は独立そのものを賛成してもらうことはもちろん、独立後の苦難(成功している経営者も倒産の危機は必ずと言っていいほど経験しています、もちろん僕も)をも共に乗り越えてもらうという意味も含まれます。

お恥ずかしい話ですが、僕自身はこの点において至らぬことがあり独立から数年後に最初の結婚を破綻させてしまいました。

独立後、ずっと順風満帆という経営者はおそらく1人もいないと思います。

独立後の波乱万丈を家族と一緒に乗り越えるために、独立前から仕事の話を積極的にする、家族との時間を大切にするなどして、真に独立に賛成してくれる関係性を時間をかけて作っておいて欲しいです。

3.7 円満に会社を辞める

どうせ独立するのだからと、それまで勤めていた会社に不義理(社員を引き抜く、お客様を奪うなど)をする人をたまに見かけますが、結果うまくいっていない人が多いように感じます。

鳶工事の業界も広いようで案外狭い世界なので、悪い辞め方をするとその噂がより悪く広がったり、独立後に意図せず仕事で関わるようになった時に協力を得られない(意地悪される)などのケースも考えられます。

独立(会社経営)を成功させるためには、応援してくれる人を増やすこと、敵を作らないことも大事なことですので、独立後も前の会社から応援してもらえるように円満に退社しておくことがとても大事になります。

3.8 絶対に諦めない

僕自身の経験からも言えることですが、独立をすることそれ自体はさして難しいことではありません。

極論ですが、ちゃんと準備さえすれば誰にでもできるとさえ言えます。

ただし、それを継続させることが難しい、、、

会社は5年で18.3%が、10年でそれ以上が倒産するというデータがあります。

僕自身も過去に倒産の危機を何度か経験しています。

今思い出しても吐き気がするような苦い経験です。

順風満帆で全てがうまくいっていそうな経営者でも、資金繰りに苦労して夜も眠れないという時期を必ず乗り越えているはずです。

会社を倒産させてしまう経営者と、なんとか生き残って事業を発展させられる経営者の違いは何なのか?

僕はその人が持つ能力やその時の社会環境なんかよりも『諦めてしまったか否か』にその違いがあるのだと思っています。

スラムダンクの安西先生の名言『あきらめたらそこで試合終了ですよ』の世界です。

万策尽きたと思っても、それでも絶対に策はあります。

独立を志したその日から、独立までの準備期間も、独立後も『絶対に諦めない』を自分自身に誓って日々過ごしていただきたいです。

参考:中小企業庁「中小企業のライフサイクル(P109)」

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf

3.9 学び続けること

もう1つ。成功する経営者と失敗する経営者を分ける要因が『学ぶことが好きかどうか』という点です。

周りの成功している経営者たちを見ると、お金も時間もかけて恐ろしく学んでいます。

僕も学生時代は勉強が嫌いで、家で勉強をした記憶などほとんどありませんが、働き出してからは学ぶことが大好きになりました。

今でも毎年数10冊の本は読みますし(最近では車の移動中にAudibleで本を聞くことも多いです)セミナーなどにも年に数回は参加します。

今まで学ぶことに費やした金額もおそらくフェラーリを買える金額以上になると思います。

経営者として身につけないといけない知識は多岐に渡りますし、テクノロジーの変化や、自分や会社の置かれた状況の変化で、新たに学ぶべきことは常にあります。

学びは連鎖する性質(何か1つの知識を得ると、それに関わる他の知識も得たくなる)がありますので、独立を決めたら、まずは経営に関する本を1冊、なんでも良いので購入して、それを読むところから初めてみてください。

3.10 良い会社で経験を積むことの大切さとは

リクルート出身者に成功する起業家が多いのは、元々の能力の高さも当然あると思いますが、それ以上に良い環境で仕事経験を積んだということが大きく影響しているのだと思います。

人が成長する上で環境は一番大事な要因だと思います。

プロ野球選手になりたければ、甲子園出場の常連校に入学して、高いレベルの練習を、高いレベルの指導者から、高いレベルの仲間と行うことが近道になるはずです。

鳶職人として年収1,000万円を達成するためには、少なくとも年収1,000万円を達成している人が身近にいる環境で経験を積むことが大事なのはイメージしていただけると思います、

将来独立を目指していて、それで年収1,000万円以上稼ぎたいのなら、それを実践した経験がある人の元で働くのが成功確率を上げる秘訣と言えます。

合同会社日比建設は社員の独立を積極的にサポートする会社です。

社員の独立をネガティブと捉える会社(経営者)も多いようですが、僕自身は優秀な社員を失うというマイナス以上に、グループ的に仲間が増えることの方が双方にとってメリットが多く、ポジティブなことだと考えています。

将来独立して年収1,000万円以上を稼ぎたいという高い志のある鳶職人は、ぜひその準備期間をうちの会社で過ごしてみてください。

また『今は転職までは考えていないけど、、、』という人であっても、独立に関する相談をお受けしますのでフォームからお気軽にお問い合わせください。

独立までの計画を作るサポートなどもさせていただきます(もちろん無料で)

最後に

板割り

我が家の2人の息子(小学校5年生と2年生)は空手を習っています。

その空手道場では、お正月のイベント(鏡開き)の時に全員が自分のその年の目標を書いた板を割るというのを恒例としています。

皆さんは板割りをやった事ありますか?

板はただ力任せに突いても簡単には割れません。

分厚い板を一突きで割る極意は『板の先まで突ききること』にあります。

板までの間合いではなく、その先まで届く間合い(板を構えてくれている人の胸まで)で届く勢いで突くことで、初めてその手前にある板が割れるのです。

これはそのまま目標達成の極意だとも言えます。

1000万円(板)を達成するためには、さらにその先の地点を目標としてそこまで突ききる勢いが重要です。

より高い目標を設定できるように日々研鑽を積み、鳶職人としてぜひ年収1000万円を達成してください。

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