足場の組立て特別教育とは?資格の取得方法やカリキュラムを解説

あなたが鳶職の新人としてスタートしたばかりなら、まず知っておくべきは、『足場の組立て等特別教育』と『フルハーネス』の教育の大切さです。

建設現場では、安全が何よりも大事。この二つの教育を受けないと、現場で働くことすら出来ません。
足場の組立や解体は高い場所で行われることが多く、正しいやり方を知っていないと大変危険です。
またフルハーネスを使用した安全な作業方法を身につけることは、あなた自身や周囲の人々の命を守るために絶対に欠かせません。

この記事では、なぜこれらの教育がとび職人にとって必要なのか、そしてどんな事を学ぶのかを、わかりやすく説明していきます。安全な作業環境を確保するために、これらの教育は欠かせないものです。
あなたが建設現場で安全に、そして自信を持って働けるようになるための第一歩を一緒に踏み出しましょう。

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1 足場の組立て等特別教育の概要

1-1 足場の組立特別教育は建設作業員がまず一番最初に受ける講習です。

建設現場では、足場の組立てや解体が日常的に行われるため、安全な作業手順をきちんと学ぶ事が重要です。
「足場の組み立て特別教育」は、単なる義務と思ってはいけません。
なぜなら、これはあなたの安全とキャリアの両方を守るための重要な教育だからです。
作業の安全手順を正しく学び、身につけた知識と技術を現場で活かし、安全で信頼できる作業員としての基盤を築きましょう。

1-2 作業主任者との違い

特別教育は、足場作業に従事する全作業員が対象なのに対し、足場作業主任者は、現場を指揮する足場作業のリーダーや監督者を対象とします。学ぶ内容も量も異なり、特別教育は、1日(6時間)で、基本的な設置、撤去方法、安全管理なのに対し、足場作業主任者は、5日間(約68時間)かけて、より高度な技術や安全管理、リーダーシップや法令遵守などについても学びます。

1-3 受講カリキュラムの主な内容

この特別教育は、試験を受けて合否によって資格を得るというようなものではなく、以下のとおり
一定の決められた時間をきちんと受講すれば必ず取れるものです。
具体的な受講内容と時間割についても以下の表にまとめてみました。

1-4 日比建設が実際に実施している特別教育の内容

上の表では、特別教育のカリキュラムと時間を明記しましたが、実際に日比建設で講習会を実施している
【足場の組立等特別教育】の内容をこちらにお見せします。
PDF:日比建設の足場の組立特別教育

2 足場の特別教育を受けるべき人はどんな人?

2-1 どのような職業の人が当てはまるのか?

  1. 建設作業員:建設現場で直接足場の組立てや解体を行う人
  2. 建築士:設計段階で足場の安全基準を考慮する必要がある人。
  3. とび職人:高所での作業を行う専門職
  4. 建築現場監督者:建設現場の安全管理を担う人。
  5. 塗装屋 :建物の外壁などの塗装作業で足場を使用する人。
  6. 看板取付業者:高所に看板を取り付けるひと。
  7. 電気高士:建築現場での高所での電気関連作業
  8. 舞台美術家・デザイナー:劇場やイベントでの高所でのセット作成する人。
  9. 映画・テレビ制作スタッフ:映画のセット構築や高所での作業する人。
  10. 照明技術者:高所での照明設備の設置や調整

など

これらの職業は、足場を使用する機会が多いため、足場の特別教育を受けることで、作業の安全性を高めることができます。また、法的要件に準拠するためにも教育が必要です。
補足となりますが、労働基準規則(年少者の就業制限)により18歳未満の者を足場の組立て等の作業に従事させてはならないとされています。18歳未満の方は講習は受講して学ぶ事は可能ですが、修了証の交付は、満18歳以上になるまで発行出来ません。

2-2 特別教育が必要になる作業とは具体的にどのような作業か?

まず、以下に足場組立の定義をご説明します。

足場材の取付けや緊結

足場の各部材を適切な位置に設置し、組み立てる作業です。

足場の組立て、解体、変更

足場の建設、分解、またはその配置や構造の変更を行う際に、足場特別教育が必要となります。これには、安全な作業手順の知識と技術が必要です。

移動式足場も含まれる

移動式足場も、固定式足場と同様に、組立てや解体に特別教育が求められます。

一時的な手すりの取り外しや設置 

一時的に手すりを外したり戻したりする作業自体には特別教育は必須ではありませんが、層全体の手すりを外すような場合は、一部解体や変更に該当する可能性があります。

下の図のように、脚立と脚立に板を載せると足場ということになるので、特別教育の資格が必要です。
単独の足場だけでは不要になります。

2-3 特別教育が必要ないケース

足場作業主任者の技能講習を受講した場合

足場作業主任者の技能講習を受講した人は、特別教育を受ける必要はありません。なぜなら、作業主任者の講習が足場特別教育の内容を網羅しているからです。

地上または、堅固な床上における補助作業

地上または堅固な床上で、材料を運んだり整理する作業は必要ありません。ただし、足場に登って、材料運搬や整理する場合は特別教育が必要になってきます。

2-3 教育を受けていないのに作業を行ったらどうなる?

特別教育を受けていない人が足場の組立等を行った場合は、違反となり、罰則対象となってしまいます。
安全衛生法第119条より『懲役6か月以下若しくは50万円以下の罰金』が罰則となりますので十分に注意しましょう。

3 足場特別教育を受講する3つの方法

3-1 Web講座(一番おすすめ)

WEB受講がおすすめな理由は、ネット環境とPCがあれば、どこからでも受講可能なので、受講先の選択の幅が広がります。キャンペーンなどを行っているところなどもあるので受講コストをおさえられます。

都合のいい日時に自由に受講できるのはとても魅力ですよね。ちなみに受講期限内であれば何度でも視聴可能のところもあるようです。またベトナム実習生の受講を検討している場合、通訳の方の費用も考えないといけないケースもありますが、あらかじめベトナム字幕があるWEB講座です時間も費用も気にすることなく受講できますね。

ただ、厚生労働省からの通達により、規定の教育時間以上行われたことを担保するため、事業者(管理者)の監督の下で受講することが前提となっているようです。

以下、受講先参考

SAT株式会社 (ベトナム語字幕あり) 7時間8分 ¥8800円くらい (2023年12月時点)

https://www.sat-co.info/ec/ashiba

とてもわかりやすい足場のサンプル動画があります。(SAT株式会社)

労働安全衛生教育センター ¥6600くらい(2023年12月時点) 5名より割引制度あり

https://sfc-kyoto.co.jp/

CIC 日本建設情報センター(WEB受講OK ベトナム語不可) 6.75時間 ¥11000くらい
(2023年12月時)

https://www.cic-ct.co.jp/ashiba

3-4 ベトナム語対応している受講先

SAT株式会社 WEB講習(ベトナム語字幕あり) 7時間8分 ¥8800円くらい (2023年12月時点)

https://www.sat-co.info/ec/ashiba

3-2 建設業労働災害防止協会の各都道府県支部

建災防は、労働災害防止団体法に基づき設立された団体です。
下記のURLからお住まいの地域で実施されているかご確認頂けます。

https://www.kensaibou.or.jp/seminar/branch021.html?page=1

3-3 労働技能講習協会

下記のURLからお住まいの地域で実施されているかご確認頂けます。

https://www.rougi.or.jp/course/whole/tokubetu_asiba

株式会社nextPCT(旧IHI技術教習所)
東京教習所
東京都江東区新砂1丁目10‐17
TEL:03-5633-8340
足場特別教育¥10,000

(一般財団)中小建設業特別教育会  会場での講習

ただし、日常生活に必要な日本語の理解力を有さない方は受講できません。
(理由としては、通訳をつけても、通常の講習時間内で終わらせることが難しくなってしまうためです)

4 鳶職人であればフルハーネスの同時受講がおすすめです

とび職人が安全に高所作業を行う為には、足場の組立て等特別教育に加え、フルハーネスの使用に関する特別教育も同時受講が必要です。

フルハーネスは、転落事故時のリスクを大幅に軽減し、個人の安全を守るための必須の安全装置です。
この装置の正しい装着方法、調整の仕方、使用時の注意点などを学ぶことで、とび職人は高所での作業をより安全に、自信をもって行えるようになります。

また、これらの二つの教育を同時に受講することは、効率的な学習方法であり、時間と労力の節約にもつながります。安全は建設業界における最優先事項であり、適切な知識と技術を身に着けることは、事故のリスクを最小限に抑え、作業現場全体の安全性を高めるために不可欠といえます。

こちらも同じくSAT株式会社のWEB講座があり、実技の事例を解説を動画で見れる為、非常に参考にしやすくお勧めです。

SAT株式会社
【フルハーネス特別教育】いつでも受講が可能なSATのWeb講座 (sat-co.info)

まとめ

建設現場で安全に働くためには、この『足場の組立て特別教育』がとても大事です。

特に、高い場所で働く鳶職人にとって、足場を正しくしっかり組む方法を学び実践することが、自らの安全はもちろん、周りの人たちを守るためにも必要不可欠です。

この記事を通じて、足場の組立てについてのカリキュラムの内容やどこで学べるかなど、具体的に詳しく説明しています。

建設現場で働くときは、『安全第一』を心がけることが最も大切です。

しっかりとした教育を受けて、足場の正しい組み方をマスターし実践することは、自身の安全はもちろん、現場全体の安全性を高めることができます。

この記事が、あなたが建設業界で安全にそして効率的に仕事をするための役に立つ情報となれば幸いです。

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