異業種から鳶への転職を考えている全ての人に知っておいて欲しいこと

『職人』というと中卒とか高校中退など、10代半ばの若いうちから始めないと一人前になれないと漠然と思っている方も多いと思います。

確かに、若いうちに始めて経験を積むことは大きなメリットではありますが、同じくらい他の仕事を経験した上で鳶職人をやることのメリットもあります。

特に、社会人としての基本的な礼節やコミュニケーション能力、マネジメント能力などは皆さんが思っている以上に職人(特に職長になる上で)においても重要なスキルになります。

僕自身は17歳で鳶職人になり26歳から27年間鳶工事会社を経営していますので、10代から始めて超一流になった鳶職人だけでなく、20代後半や30代で他の職業から転職して成功している職人も大勢見てきています。

結果、鳶職は他の職業での様々な経験を活かすことができると断言できます。

頭の片隅に少しでも『職人への転職』という考えがある方には、ぜひ最後までご覧いただきたいです。

目次

1. 異業種から転職して鳶職人として大活躍している2人の話

まずはじめに、鳶職一筋の人には無い?異業種からの転職ならではの強みを活かして活躍している2人の話を紹介します。

1-1.サラリーマンから転職をしたAさんの話

僕が知っているAさんは、サラリーマンから20代後半で鳶職に転職をして、30代半ばには職長(現場の責任者)になり、その後も大現場を次々と任され、50才を超えた今では某スーパーゼネコンの中でもトップクラスの職長になっています。

職長になった時には鳶職経験5〜6年なので『現場にいる職人はみな自分より職人としての能力は高い人ばかりだったけど、サラリーマン時代に身につけたマネジメント能力や調整能力がそのまま鳶の職長になっても活かせた』と彼は言っています。

Aさんは残念ながらうちの社員ではないので彼の現在の収入は想像の域を出ませんが、そのままサラリーマンを続けていたよりは高い収入を得ていることは間違いないと思いますし、何より毎日が充実していて(誰もが知る大きな建物の鳶の職長って半端ではないやりがいがあります)、この先も健康でいる限り65歳でも70歳でも収入が落ちることなく働き続けられると思います。

『名選手名監督にあらず』とよく言われますが、鳶職人としての能力と職長の能力もやはり別物で、鳶職人としては並の能力でも職長として一流という人は大勢います。

1-2.サービス業(水商売)から転職をしたBさんの話

半ばからという異色の経歴の持ち主です。

僕が一緒に仕事をさせていただく機会を持った時も、鳶としての能力は至って並(失礼ながら)でしたが『現場の中や詰所(職人が休憩や食事をする休憩室)をピカピカに綺麗に維持するという』ことに対して並外れたこだわりを持っていて、職人からの支持はともかく(掃除とか片付けって嫌いな人多いですよね)、お客様(この場合は元請であるゼネコンの所長など)にはとても重宝されて、常に大きな現場の職長をやっている人がいました。

整理整頓された現場は事故も起き辛いですし、仕事が順調に進むのは間違い無いのですが、それを苦手にしている職長さんが多いので彼の能力(こだわり)はとても評価されていました。

最近、サッカー日本代表の鎌田選手が移籍したセリエA(イタリアのサッカリーグ)の名門ラツィオのサッリ監督も元銀行員でプロサッカー選手経験がないにも関わらずビッククラブの監督を歴任している超一流の監督です。

プレーヤー(選手)とマネージャー(監督)の能力は別物の良い例だと思います。

あなたの今までの経験や能力、他の人よりも秀でたこだわりなどがマッチすれば鳶職人や職長として大きく活躍できる可能性は十分にあります。

2. 未経験者が鳶職へ転職する前に抱く6つの不安とその実態

鳶職(職人)への転職を考えるときに、皆さんが不安に思う代表的なことを6つに絞ってお答えします。

2-1. 歳をとっても働けるのか

『職人は若いうちしかできないぞ』と言う謎のアドバイス?をする人をたまに見かけますが、はっきり言ってかなり的外れの意見だと言わざるを得ません。

まず鳶職の50歳、めちゃくちゃ元気です!

60歳でも若い職人に遜色なく働いている人は大勢います。

運動不足で不摂生な生活をしている他の職業の方達とはちょっとレベルが違います。

そりゃそうですよね。

毎日身体を動かし、健康的に汗を流し、早寝早起きの規則正しい生活を何10年と詰み重ねてきているんですから。

朝の通勤電車や、ランチ時に街中を歩く中年サラリーマンを見ると、『お腹が出て歩くのもしんどそう』みたいな人とか、『疲れ切っていて覇気がない』人をまぁまぁ見かけますが、鳶職人にはそんな人はほとんどいません!

確かに、年齢を重ねると若い時と同じような働き方ができなくなって来る部分は我々鳶職人にも当然あります。

でもそれって、他のどんな職業でも同じじゃありません?

デスクワークでPC作業していたって50過ぎるとすぐ目がしょぼしょぼしてくるし、細かい書類は読み辛くなるし、1日中外回りで歩き回るなんてことも大変になってくるはずです。

年齢にともなって求められるものが変わるのは鳶職も同じで、体力勝負一辺倒みたいな働き方から、経験を重ねるごとに徐々に人を上手に使って仕事を進める役割に変化していきますので、歳をとってもできるのか?みたいな不安は過剰に持つ必要ないです。

鳶職が年齢に関係なく活躍できる仕事ということについては

鳶職は年齢関係なく働ける!年代別の働き方や長く働くための秘訣は?

でより詳しく解説されていますのでご興味ある方はご覧ください。

2-2. 高所作業が怖いけど大丈夫か

地上200mみたいなところで平気そうに作業をしている鳶職人も、始めたばかりの頃はみな『高いところが怖い』という思いを必ずしています。

『高いところが平気』は才能ではなく、多くは慣れの問題です。

僕も現役鳶職人の時は高いところをあまり怖いと思わず作業できていましたが、現場を離れて20年ほど経つ今は、高いところめちゃくちゃ怖いです笑

病気として認定されるレベルの『高所恐怖症』でない限り、これは慣れの問題だと言えます。

未経験者がいきなり200mの高所で作業させられることは絶対になくて、少しずつ段階を経て高所作業に順応していけるように経験を積ませてもらえると思いますので、皆さんが思うより高所への順応はできるものだと思います。

またこれも誤解されている部分なのですが、鳶職人は高いところが全く怖くない、『ちょっと頭のおかしい人たち』の集まりではありません笑

例えベテラン鳶職人たちであっても、高いところで作業をするのは毎回『とても緊張感のあること』です。

高所作業では必ず安全帯(命綱)を使いますし、先行してネットを張るなどの安全設備を整えることで、より安全に作業を進められる環境を整えながら作業をしています。

2-3. 怖そうな人が多そうだけど大丈夫か

まずは下の写真をご覧ください。

表情こそ笑顔ですが、やはりちょっと怖そうな人たちという感想を持つ人もいるかもしれません。

では、こちらの写真はどうでしょう?

この写真は社員旅行の1コマで、みんなでラフティング(川下り)をした時の写真ですが、これを見て『怖そうな人たちだなぁ』と思う人は少ないはずです!?

写っているのは、どちらも同じうちの会社の社員たちなんですけどね。

『鳶職人=怖そうな人たちの集まり』という世間の印象は

  • 作業着姿が独特で怖そうに見える
  • ガタイが良い人が多いので怖そうに見える
  • 無駄に声がでかいから怖そうに見える

など、その人の人間的は部分とは違うところで貼られているレッテルだと言えるのではないでしょうか?

もちろん、人間的に短期で怒りやすい人も一定数いますが、それは他の職業であっても同じだと思います。

少なくとも世間を賑わせている⚪︎ックモーターさん(鳶職人は部下に『死ね』とかLINEしませんから)なんかよりははるかに割合も少ないように思うんですけどね笑

『鳶職にヤンキーが多いと思われてしまう理由と真相について徹底解説!』ではより詳細にこの辺りのことについて書いています。

2-4. 怪我が多そうだけど大丈夫?怪我した時の保証はあるのか?

『鳶職って事故が多そうで怖い』という印象をお持ちの方も多いと思います。

鳶職は事故が全くない安全な職場とまでは流石に言えませんが、データから見ても鳶職(建設業)の事故発生率は皆さんが思うほど高くありません。

厚労省のデータ(度数率)から鳶職の事故率についてみていきましょう。

度数率とは100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す数値のことです。

数値が高いほど事故の発生頻度が高く、数値が低いほど事故の発生頻度が低いということになります。

厚労省が公開いている「労働災害動向調査データ」には業種ごとの度数率が掲載されていますが、そこからも分かるように、他の業種と比較しても鳶職(データは建築業全体で算出)の事故率は決して高いとは言えません。

むしろ、事故率という意味では他の業種の方が高いことが分かります。

インパクトの大きい事故が報道されることも多いので鳶職(建設業)=事故が多いという印象はある意味仕方のない部分ではあります。

エビデンスベースでの鳶職(建設業)の事故発生率の少なさの理由などについては『鳶職の事故率は低い!根拠となるデータと徹底した安全対策を紹介』の記事で詳しく触れています。

2-5. ちゃんとお金もらえるの?

『もちろんもらえます!』

以上!

としたいところですが、この疑問は『ちゃんと安定的にもらえるのか』という意味だと思います。

ちなみに、鳶職人をはじめとした建設業の職人さんは『日給月給制』で働いている方が圧倒的多数だと思います。

1日いくら(日給)×働いた日数、を月単位で集計して毎月決められた日(給料日)に支給される形が日給月給制です。

この日給月給制であるが故に不安定と思われることが多く、ある面でそう思われても致し方ない部分でもあります。

  • 仕事がないと休みになるから給料が減る
  • 雨が降ると休みになるから給料が減る
  • 夏季や年末年始など長期休みがある月は給料が減る

などがよく言われることですが、

  • 仕事が途切れることのない安定した会社で働く
  • そもそも鳶職人は雨で仕事を休むことはほとんど無い
  • 有給休暇をちゃんと付与している会社なら有給を充てることで長期休暇も大きな問題にならない

などの方法を取ることで回避できる部分があります。

毎月安定した給料の方が良いという意見は納得できる部分ですが『毎月35万円=年収420万円』と『月ごとの変動は多少あるが年収450万円』であれば後者の方が良いという人も多いはずです。

鳶職の給料事情については以下の記事も参考にしてください。

『鳶職の平均給料は404万円!自社のリアルな年収データも公開』
『鳶職人が年収1,000万円を達成するためのリアルな4つの方法』
『東京で働きやすい鳶職の求人を見極める5つのポイント』

2-6. 鳶経験が全くなくても大丈夫なのか?(知識や技術がなくても大丈夫か)

当然ですが、今現場で活躍している鳶職人も最初は全員未経験者です。

なので、転職にあたって経験がないことは大きな問題にはなりません。

ただし未経験の場合だと、年齢がある程度いっていると少し難しい部分が出てくるかもしれません。

これは僕の感覚なので、違うよという鳶工事会社もあるかもしれませんが、全くの未経験者だと40歳未満くらいが未経験者を受け入れる1つの目安になるかなぁと思っています。

これも、おそらく他の職業や会社でも同じような感じになるのではないでしょうか?

包丁すら握ったことのない43歳を料理人(見習い)として雇う飲食店はおそらく少ないでしょうし、営業経験のない40代を営業職として雇う会社も稀だと思います。

3. むしろ鳶への転職は魅力的である6つの理由

異業種から鳶職人に転職することで得られる6つのメリットについて解説します。

3-1. 良い会社に入れば高い給料を得られるから

鳶への転職の魅力の1つに給料の高さが挙げられます。

特に若いうちから稼げるというところが特徴だと思います。

日比建設でも30歳で年収500万円、40歳(職長クラス)で年収700万円くらいが1つの目安になります。

日比建設のLINEオフィシャルに登録した方限定で、実際に在籍中の職人(社員)の給料明細を公開しています。


ご興味のある方は登録してみてください!

次の章でも触れますが、鳶職の世界は完全実力主義なので、20代でも鉄骨建て方が出来たり、職長として現場をマネジメント出来る能力が高ければ40代以上の職人より高い給料をもらうことは十分可能です。

逆にそれらの能力が[並]な人は平均賃金よりは多く稼げるかもしれませんが、それ以上稼ぐことは難しいです。

ただ無難に在籍しているだけで毎年給料が上がる、公務員や安定思考の中小企業とは大きく違う点があります。

自分の能力や自分の努力が成果(給料)に直結しやすいという点で、やる気のある人にとってはとても魅力的な職業なのではないでしょうか。

3-2. 実力主義で評価されるから

学歴、年齢、入社歴など、実力以外の部分がほとんど評価されないのが鳶職人の世界です。

皆さんが思う以上に実力主義の世界です。

そんな世界だからこそ、高校中退の僕のような人間でも20代前半に職長を任され、26歳で独立をするみたいなことができたのだと思います。

20代の若造でも『仕事ができれば評価をされる』それが鳶職人の世界。

反面、大卒で、40代で、入社20年であっても、仕事の能力(職人としての技量だけでなく勤務態度や人間力的なものも含め)が低ければ20代より稼げないみたいな職人もいるという厳しい面もあります。

3-3. やりがいが大きい(充実感や達成感が半端ない・形に残るものを立てる)

鳶職のやりがいとして多くの職人が口にするのは

  1. 自他共に認める現場の主役として他の職種から一目置かれる存在
  2. 何も無いところから巨大なものを作り上げる達成感
  3. 自分たちが作り上げたものが形に残る

などの点です。

1.の現場の主役ということについては

  • 鳶職人は1番初めに現場に乗り込み、1番最後まで現場に残る職種である
  • 他の職種(大工さんや内装屋さんや設備業者など全て)は鳶の力を借りずに安全に現場で作業を進めることができない

などの理由から、現場の中心が鳶職人であるという認識は全ての職種の職人さんたちが認めるところであり、我々鳶職人もその責任を自覚し、プライドを持って仕事をしています。

工事現場では全ての職種の職長さんたちで構成する『職長会』という組織を作るのが一般的ですが、よほどのレアケースを除いて、職長会の会長は鳶の職長が就きます。

2.の巨大なものを作り上げる達成感については、建物の主要構造である『鉄骨』を何も無いところから建てていく(現場によっては何万トンという重量になります)のが鳶職人なので、その達成感はやったことのある人にしかわからない感覚だと思います。

特に男性であれば、子どもの頃にプラモデルや工作にハマった経験をお持ちの方も多いと思いますが、地球上で一番大きなモノづくりの中心にいるのが我々鳶職人なのです。

3.の形に残るという点も鳶職人のやりがいに大きく繋がる部分です。

特に多くの人が知っているような建物(例えば⚪︎⚪︎ヒルズとか、⚪︎⚪︎ドームとか)に携わると、その建物の近くを通るたびに『これは自分たちが作ったんだ』と思えますし、それを家族に自慢したりするのは鳶職あるあるの1つです。

鳶職のあるあるについては『鳶職人歴10年の私が教える絶対共感できる鳶あるある11選』で取り上げていますので、興味のある方はご覧ください。

3-4. 手に職をつけられる・食いっぱぐれない

最近はホワイトすぎる会社の社員が、『この環境では能力を高めることができない』ということを理由に転職することが増えていると聞きます。

これって至極真っ当な感覚で、Z世代は僕らの世代に比べても考え方がしっかりしていて優秀だなぁと僕などは思ってしまいます。

今や終身雇用を念頭に働いている人などほとんどいませんし、日本でもジョブ型雇用が主流になりつつある中、会社が変わっても普遍的に通用する能力を若いうちに得ておきたいという考えは極々自然の事だと思います。

会社が変わっても普遍的に通用する能力の最たるものが職人であり、鳶職も身につけた能力は日本中(あるいは外国でも)どこでも等しく評価してもらえるものです。

AIの進化で『この先何年かで無くなる仕事』のような特集記事を目にしたことがある方も多いと思いますが、AIやロボットなんかにはちょっとやそっとじゃ仕事を奪われないのが我々鳶職人です。

3-5. 空前の売り手市場だから 

さらに、今のように職人へのなり手が少なく慢性的に人手不足な状況下では、年齢に関わらず例え能力が並の職人であっても転職に苦労することなどないでしょうし(人格的に問題がある人を除く)、年齢が若くて能力が高い職人などは大袈裟ではなく三顧の礼で迎え入れてもらえると思います。

我々日比建設でも、能力の高い職人さんであれば最大限の配慮(収入面など)をした上で迎い入れます!

我こそは!という鳶職人の方、ぜひ一度お会いして色々とお話をさせてください。

3-6. 心身ともに健康的な生活が送れる(気づいたらマッチョになってる)

最後に、これはおまけ的な要素かもしれませんが僕が鳶職人への転職で得られると思う副次的なメリットを1つ。

それは心身共に鍛えられるということです。

体が鍛えられるという部分はあまり説明をしなくても理解いただけますよね。

鳶職の仕事は『筋トレ+有酸素運動』を毎日バランスよく行うようなものなので、筋肉も付き、体脂肪率も低い細マッチョ体型の人が多いです。

ジムやパーソナルトレーナーへの課金なしに(と言うか逆にお金をもらいながら)ある程度のボディーメイクができるのが鳶職人なのです。

このように日々体を動かすことにプラスして

  • 現場の朝は早いので生活リズムが早寝早起き
  • 食事の時間なども含め規則正しい生活
  • 仕事中の緊張感からくるON・OFFのバランス
  • 屋外の開放的な場所での仕事

などの理由からか、メンタル的にも安定している人が多い印象を受けます。

鳶職人でメンタルが病んで仕事できなくなったみたいな話は聞いたことがないです。

心身共に健康的な生活が送れることは、ますます大事な要素になるはずなのでそれらを得られることもお勧めできる理由の1つとして挙げておきたいです。

4. 鳶職への転職をおすすめできない3つのタイプ

転職先として魅力の多い鳶職人ですが、全ての人にお勧めできるかというと正直難しいなぁと言うのが僕の実感です。

鳶職人に向かない3つのタイプをお伝えします。

4-1. 汗をかくのが嫌な人

汗をかくのが嫌いな人=体を動かすのが嫌いな人(同じような意味で汚れるのが嫌いな人)は流石に鳶職をやるのは難しいです。

いくら機械化が進もうが、AIが発達しようが、鳶職人から肉体労働的側面を無くすことは不可能です。

文章を書くのが苦手な人はライターや作家にはなれないでしょうし、料理に全く関心が持てない人が料理人をやるのもやはり難しいです(どう見ても接客に向いてない人が接客をやっているシーンはよく見ますが、、、)

汗をかきたくないという人は他の職業への転職を考えましょう。

4-2. 人と関わることが嫌いな人

職人さんって『一人黙々と仕事に打ち込む』みたいなイメージを持たれがちですが、鳶職人は1人で仕事をすることはほとんどなくて、ほとんどの作業はチーム単位で行います。

なので『人と関わるのが嫌いなんです』という人には正直あまりお勧めできません。

同じ建設業でも内装職人さんや左官屋さんなんかは比較的個人単位で仕事をする時間が長いので、職人にはなりたいけどあまり人に関わりたくないという人は、そのような職種を選ぶというのも一つの選択肢だと思います。

4-3. 向上心がない人

これは鳶職人限らず全ての職業で言えることだと思いますが、前述したように

  • 完全実力主義であること
  • 油断や能力不足が大きな事故につながりやすい
  • 鳶職人は仕事の範囲がとても広いため一人前になるのに時間が掛かる

などの理由から、特に向上心がない人にとっては難しい仕事になります。

お金のためと割り切り『なんとなく仕事時間を適当にやり過ごす』みたいなことが、めちゃくちゃやり辛い職場です。

鳶職への転職を決めたからには、超一流の鳶職人になることを目指して自己研鑽に努めていただきたいです。

5. 鳶職へ未経験から転職する時の会社の選び方

ここまで読み進めていただいた上で『鳶職に挑戦してみよう!』と決断したあなたへ、特に未経験の人が転職する際の会社の選び方について解説します。

5-1. 大きな会社に入る

特に未経験者が初めて鳶職人をやる場合はある程度の社員数がいる会社を選ぶ方が良い結果になりやすいです。

小さな会社の場合、稼働している現場が1つしかないというのがありがちなケースで、この場合未経験者が最初に覚えるのに都合が良い仕事がタイミング的(工程的)に無いなど、育成という面で難しいことが考えられます。

ある程度社員数がいる会社(20人程度以上)であれば、現場数も複数の場合が多いので、新人の配置に適した現場を選んで配置させることができます。

また仕事を教えるのが上手い下手もですが、教える人と教わる人の相性みたいなものも大事で、教える側が多ければ多いほど相性の良い人から教えてもらえる確率も上がりますし、Aさんからはこの作業、Bさんからはこの考え方など、仕事を覚えるチャンスを物理的に増やすことも可能です。

迷ったら職人数の多い会社を選びましょう。

5-2. 職人の採用育成に積極的な会社を選ぶ

次に大事なのはそもそも長期的目線で職人の採用や育成を行っている会社かどうかという点を確認したいです。

indeedなどで求人情報を見たら、まずはその会社のホームページを確認してください。

  • ホームページに力をかけているか
  • その中に採用や育成に関するコンテンツがあるか

などを見れば職人の採用や育成にどれだけ力を入れているのかはなんとなくわかると思います。

もちろん、最終的には面接で社長などに直接聞いてみるのが良いです。

今時ホームページもない、あっても適当に会社情報だけみたいな会社が育成に力を入れてくれるとは思えないですよね?

いまいま仕事が忙しいから、『頭数として職人が欲しい』という理由で求人をしているのと、『長期的に会社を成長させて、社員にとって働きやすい会社にするんだ!』という意欲を持って採用をしている会社とでは、入社後の成長スピードに大きな差がつくのも頷けるところです。

このトビタイムズも日比建設のことを多くの鳶職人や鳶職人を目指す人に知ってもらい、互いにとってHAPPYな転職になることを願って、多大な費用(結構すごい金額を掛けてます笑)とマンパワーを投入して運用しています。

6. 鳶職へ未経験から転職をする前に準備をしておくことは特にない!

ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。

最後によく聞かれる質問にお答えをしてこの記事を終えたいと思います。

Q. 未経験なのですが、転職する前に準備しておいた方が良いものはありますか?
A. 何もありません!

よく『資格でとっておいた方が良いものはありますか?』『何か用意しておくものはありますか?』などと聞かれます。

鳶職人は最終的には10個前後の資格を取る必要がありますが、それぞれの資格は必要なタイミングがきた段階で取れば良いので、転職前には特に必要ありません。

鳶職人が取るべき資格や優先順位については『鳶職人の経験年数別に目指したい資格がわかる?!鳶の資格の知識』をご覧ください。

一部ごく簡単な資格(講習を受ければもらえる)が入社すぐに必要になりますが、それも入社してから取得すれば全く問題ないです。

道具や作業着なども仕事をする上で必要ですが、最初は最低限の装備で良いので、会社の人に確認してから取り揃えた方が無駄がなくていいです。

ちなみに日比建設では最初に必要な道具類は会社から支給しますし、消耗品(作業着や手袋など)についても道具代補助という形でサポートしています。

また仕事上で必要な資格については100%会社で費用負担しています。

日比建設の福利厚生をわかりやすくまとめた資料もLINEオフィシャルへ登録するとご覧いただくことが可能です。

必要なのはあなたの覚悟だけ。

鳶職への転職で、充実した毎日が過ごせるようになることを心から祈念しています!

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